はじめに
アニメ『グノーシア』第5話では、新たにシピとコメットが加わり、8人でのゲームが始まりました。
今回の中心となるのは、夕里子とステラのどちらが本物のエンジニアなのかという問題です。
しかし、人狼ゲームとして第5話を振り返ると、単純に「ユーリが本物を見抜いて勝った回」と整理するだけでは十分ではありません。
重要なのは、ラキオが初日にエンジニア候補を残した理由、2日目にセツのドクター結果によって変化した盤面、そしてユーリが夕里子とステラをどのように見極めたのかです。
さらに、夕里子がコールドスリープされた直後、シピは自分がグノーシアだと認めました。まだ夜の襲撃が残っていたにもかかわらず、なぜこの時点で敗北を認めたのでしょうか。
盤面を整理すると、第5話は「村人側が完璧な推理でグノーシアを追い詰めたゲーム」というより、ラキオが情報を増やす合理的な進行を作り、最後にユーリが不確実な決め打ちを成功させたゲームだったことが分かります。
今回は、
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ラキオはなぜ初日にエンジニアを残したのか
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「決め打ち」と「ローラー」は何が違うのか
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ユーリの推理はどこまで正しかったのか
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グノーシア側に明確なプレイミスはあったのか
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なぜシピは夕里子が処理された直後に自白したのか
という人狼ゲームの視点から、第5話の勝敗を詳しく考察していきます。
前回の記事を読んでない方はこちら
inu25256.hatenablog.com
今回のゲームの基本情報
今回のゲームは8人戦です。
参加者は、ユーリ、セツ、ラキオ、ジナ、ステラ、夕里子、シピ、コメットの8人。
役職は、
-
グノーシア:2人
-
エンジニア:1人
-
ドクター:1人
となっています。
8人戦なので、村人側が使えるコールドスリープは最大3回です。
この3回のうち、2回をグノーシアに当てる必要があります。
つまり、村人を2回コールドスリープすると基本的には敗北です。
コールドスリープ回数の詳しい計算方法については、第1話の記事で解説しています。
inu25256.hatenablog.com
今回まず押さえておきたいのは、村人側が基本的に一度しか間違えられないゲームだったという点です。
ラキオはなぜ初日にエンジニアを残したのか
1日目、夕里子とステラがエンジニアとして名乗り出ます。
本物のエンジニアは1人しかいないため、夕里子とステラのどちらか一方が本物、もう一方がグノーシアです。
単純にランダムで選ぶなら、エンジニア候補2人から処理すれば2分の1でグノーシアを落とせます。
一方、残った6人の中にもう1人のグノーシアがいると仮定すれば、グレーからグノーシアを処理できる確率は単純計算で6分の1です。
※もちろん実際の人狼ゲームでは、発言や態度、投票などによって疑いの強さが変わるため、これはあくまで完全にランダムで選んだ場合の数字です。
それでもラキオは、
「今日はエンジニア候補を処理せず、残った6人から選ぼう」
と提案しました。
なぜ、あえてグノーシアを処理できる確率が低く見える場所を選んだのでしょうか。
初日決め打ちは情報が少なすぎる
まず考えられるのが、初日から夕里子かステラのどちらかを本物と決める進行です。
いわゆる「決め打ち」です。
しかし初日の時点では、夕里子もステラもまだ調査結果を持っていません。
判断材料になるのは、
といった要素が中心です。
この状態でどちらが本物か判断するのはかなり難しいでしょう。
しかも今回のゲームでは、村人側は基本的に一度しか間違えられません。
情報の少ない初日に決め打ちを外せば、その後の盤面は一気に苦しくなります。
そのため、初日にほとんど情報がない状態で2分の1を選ぶこと自体に大きなリスクがあると考えられます。
「決め打ち」と「ローラー」は何が違うのか
初日にエンジニアを処理する場合、もう一つ考えられるのが「エンジニアローラー」です。
ローラーとは、複数の役職候補を順番に処理し、どちらが本物か完全に判断できなくても、人外を確実に減らしていく進行です。
今回なら、夕里子とステラを2日間かけて両方コールドスリープすれば、必ずグノーシアを1人処理できます。
基本的には、より偽物だと思う人物から先に処理します。
一方、決め打ちは「こちらが本物だ」と判断して片方だけを処理する進行です。
簡単に整理すると、
決め打ち:片方を偽物として処理し、残した人物を本物として扱う
ローラー:真偽を完全には決めず、両方を処理する
という違いがあります。
ローラーは確実にグノーシアを1人落とせるのが強みです。
また、1グノーシアを落とせることで会議の日数が増えます。なので、誰が誰を疑ったのか、誰に投票したのか、発言がどう変化したのかという情報も増えていきます。
ただし弱点もあります。
エンジニアを両方処理する以上、どちらが本物だったのかを決めないままゲームを進めることになります。
そのため、途中でエンジニアが出した調査結果も、
「本物の結果なのか」
「偽物の結果なのか」
を確定できません。
例えば2日目に残ったエンジニアが「コメットは人間」と結果を出していても、その人物をそのままローラーで処理するなら、その白判定を完全な確定情報として利用するのは難しくなります。
つまりローラーは、確実に1グノーシアを処理できる代わりに、エンジニアの真偽や調査結果を確定情報として残しにくい進行です。
一方の決め打ちは、外せばそのまま敗北につながる可能性があります。
しかし成功すれば、生き残ったエンジニアを本物として扱えるため、以降の調査結果を非常に強い情報として利用できます。
ラキオは「2日目の決め打ち」まで見据えていた
ここで重要なのが、ラキオの提案です。
ラキオは単に、
「今日はエンジニアを残して、明日考えればいい」
と言っていたわけではないと考えられます。
少なくとも1日目にグレーから村人を処理した場合、2日目からエンジニアローラーへ移行する余裕はありません。
今回なら、1日目にジナがコールドスリープされました。
しかし、その時点ではジナが村人だったのか、グノーシアだったのかは分かりません。
村人側は最悪のケースも考える必要があります。
もしジナが人間だった場合、残るコールドスリープは2回。
そして残るグノーシアも2人です。
ここから一度でも村人を処理すれば敗北します。
その状態で夕里子とステラをローラーすれば、本物のエンジニアまで必ず処理することになります。
つまりラキオの、
「明日エンジニアを判断する」
という進行は、実質的には、
1日目に判断材料を増やし、2日目にどちらかを本物と決め打つ
ところまで見据えたものだったと考えるのが自然です。
初日から情報の少ない2択に挑むのではなく、1日待って、
といった情報を増やしてから決め打つ。
もちろん、1日目に村人を処理してしまえば2日目の決め打ちを絶対に外せなくなります。
安全な進行ではありません。
それでも、どうせどこかで決め打つのであれば、判断材料が多い状態まで待った方が精度を上げられるという意味で、ラキオの提案はかなり合理的だったと思います。
2日目、セツのドクターCOで盤面が変わる
2日目、セツがドクターとして名乗り出ます。
ドクターは、前日にコールドスリープされた人物がグノーシアだったかどうかを確認できる役職です。一般的な人狼ゲームでいう霊媒師に近い役割になります。
セツが発表した結果は、ジナは人間だったというものでした。
この結果によって、2日目の盤面が一気に明確になります。
ジナ白で村人側はもう間違えられない
ジナが人間だったということは、1日目にはグノーシアを1人も処理できていません。
残るコールドスリープは2回。
残るグノーシアも2人。
ここからは一度も村人を処理できません。
つまり2日目は、絶対にグノーシアを処理しなければならない日です。
そのためユーリは、
「今日はエンジニアから行くべきだ」
と発言します。
夕里子とステラのどちらかは必ずグノーシアです。
ラキオが1日目に作った進行を、ユーリが引き継いだ形です。
セツを本物のドクターとして扱える理由
ここで、「セツ自身がグノーシアで、ドクターを騙っている可能性はないのか」と考えることもできます。
しかし、この盤面ではセツが人間であることを確認できます。
夕里子はセツに白判定。
ステラはシピに黒判定を出しています。
まず夕里子が本物なら、夕里子の白判定によってセツは人間です。
一方、ステラが本物の場合。
ステラ視点では、対抗の夕里子と黒判定を出したシピがグノーシアです。
今回グノーシアは2人しかいません。
つまり夕里子とシピ以外は全員人間。
当然、セツも人間です。
つまり、どちらのエンジニアが本物でもセツは人間です。
そのため、この時点ではセツを本物のドクターとして扱ってよい盤面になっています。
ドクターが2日目まで潜伏できたのは村人側への追い風
今回気になるのが、ドクターの登場タイミングです。
1日目にはドクターについて説明された描写がなく、2日目にセツが名乗り出た際、ユーリはドクターがどのような役職なのかを確認しています。
このやり取りを見る限り、1日目の時点でドクターについての説明がなかった可能性があります。
結果的にセツは、ドクターとして狙われることなく1日目を生存し、2日目にジナ白という重要な情報を持って登場できたことになります。
これは村人側にとってかなり大きな追い風でした。
セツが初日にドクターCOしていたらどうなった?
今回とは別に、セツが1日目からドクターCOする進行も考えられます。
夕里子とステラがエンジニアCOした時点で、グレーは6人。
そこからセツが確定村人として外れれば、グレーは5人まで狭まります。
単純計算なら、グレーからグノーシアを処理できる確率も6分の1から5分の1に上がります。
また、セツという信用できる人物を中心に会議を進められるのもメリットです。
一方で今回は守護天使がいません。
※守護天使は、一般的な人狼ゲームでいう「騎士」に近い役職です。
セツが初日にドクターCOすれば、グノーシア側にとって非常に分かりやすい襲撃候補になります。
セツを襲撃すれば、
-
確定村人を消せる
-
村人側は襲撃からの考察が難しくなる
-
翌日のドクター結果を消せる
というメリットがあります。
つまり初日COは、グレーを狭められる代わりに、翌日に結果を残せなくなる可能性が高まる進行です。
初日COと潜伏のどちらが正解かは、一概には決められません。
グノーシア側に別の勝ち筋はあったのか
今回グノーシア側は、1日目の夜にラキオを襲撃しています。しかし、別の選択肢もありました。
真エンジニアを初日に襲撃する
一つは、本物のエンジニアをそのまま襲撃することです。
真エンジニアが襲撃されれば、残ったエンジニア候補が偽物だったことが分かります。
その偽物も2日目に処理される可能性が高いため、結果として両エンジニアが盤面から消える形になります。
ただし、本物は夜襲撃で消えるため、村人側が使うコールドスリープは偽物に対する1回だけです。
グノーシア側にとって大きいのは、本物のエンジニアに翌日の調査結果を残させないことです。
今回のようにステラがシピ黒を引き、その結果が決め打ちの材料になる展開を防げます。
一方で、本物を襲撃した瞬間に偽エンジニアもほぼ露出します。
信用勝負を続ける可能性を自分から捨てることになるため、必ずしも得とは限りません。
偽エンジニアが信用勝負に勝てそうなら、本物を残して決め打ち勝負を続ける。
逆に、
「このままでは偽エンジニアが負けそう」
と判断したなら、本物を襲撃してグレー勝負へ移る。
どちらにもメリットとリスクがあります。
今回ラキオを襲撃したこと自体を、明確なミスだったとまでは言えないでしょう。
そもそもエンジニアを騙らない選択肢もある
グノーシア側には、最初からエンジニアを騙らず、2人ともグレーに潜伏する選択肢もあります。
本物のエンジニアだけがCO。
グノーシア2人はグレーに潜伏。
そして夜に本物のエンジニアを襲撃する。
こうすれば、エンジニアの調査結果を残さずにゲームを進めることもできます。
ただし、その場合はグレーの中にグノーシアが2人いるため、初日に処理されるリスクも高くなります。
そのため、夕里子がエンジニアを騙ったこと自体を敗因と考えるのも難しいです。
あくまで、別の勝負の形も存在したという話です。
ユーリはなぜステラを本物と判断したのか
2日目、ユーリは夕里子とステラのどちらが本物なのかを考えます。
主な判断材料となったのは、
です。
夕里子はセツに白判定。
一方、ステラはシピに黒判定を出しました。
ユーリは、この違いにも意味を感じていました。
夕里子のセツ白は「敵を作らない結果」に見えた
セツは先にドクターCOしています。
その後、夕里子が、
「セツは人間だった」
と結果を発表しました。
ユーリから見ると、これはすでに役職を名乗った人物に白を出し、信用を得ようとしているようにも見えます。
さらに白判定なら、その人物から直接反感を買いにくくなります。
このゲームでは、周囲から票を集めればコールドスリープされるため、
「敵を作りたくない偽物が、安全な位置へ白を出したのではないか」
と疑うのも理解できます。
ただし、夕里子がセツを調査した理由には筋が通っている
一方で、夕里子がセツを調べた理由自体は不自然ではありません。
夕里子が挙げた理由は、セツが会議をまとめ、主導していたからです。
実際のセツはドクターなので、村人側として会議をまとめるのは正しい行動でした。
しかし夕里子視点では、調査した時点でセツが本当に人間なのかは分かりません。
もしグノーシアが高い発言力を持ち、会議を主導しているのであれば非常に危険です。
そのため、
「会議を動かしている人物が本当に人間なのか確認する」
という最悪のケースをケアした調査だと考えれば、十分合理的です。
1日目の段階でも、
「セツはどう見ても人間だ」
と全員から評価されていたわけではありません。
そのため、セツを調査したこと自体を夕里子の強い偽物要素として取るのは難しいでしょう。
夕里子が不利になったのは発言順の影響もある
夕里子にとって不運だったのが発言順です。
セツが先にドクターCOし、その後に夕里子が、
「セツは人間だった」
と発表しています。
その結果、
「ドクターとして出た人物に後から白を合わせた」
ように見えてしまいました。
しかし、夕里子がセツを調査対象に選んだ後にセツがCOしたのであれば、これは夕里子にはどうしようもありません。
仮に夕里子が先にセツ白を発表し、その後でセツがドクターCOしていたら、同じ結果でもユーリからの印象はかなり違っていたはずです。
つまりここは、夕里子の明確なプレイミスというより、発言順によって信用を落とした面が大きいと思います。
ステラのシピ黒はどこまで信用できるのか
一方、ステラはシピに黒を出しました。
ユーリは、この結果に一定の真実味を感じています。
理由は、黒を出せばその相手から反感を買う可能性があるからです。
このゲームでは、周囲から票を集めれば負けます。
そのため、偽物のエンジニアが長く生き残りたいのであれば、白判定を出して敵を増やさない方が安全にも見えます。
それでもステラはシピに黒を出しました。
ユーリは、
「自分が不利になる可能性があるのに黒を出している」
ことを本物要素として評価したのでしょう。
ただし、この日のエンジニア決め打ちは事実上ゲームの勝敗を決める場面です。
偽物にとっても、長期的に敵を作らないことより、今日の信用勝負に勝つことの方が重要になります。
そのため、あえて黒を出して、
「偽物なら、ここまで危険な結果は出さないだろう」
と思わせる戦い方もできます。
つまり、ステラのシピ黒は真要素にはなっても、決定的な証拠ではありません。
ステラの調査理由も決定打ではない
ステラは、
「夕里子は対抗なので調査する必要がない」
と考えています。
本物のエンジニア視点では、対抗として出てきた夕里子はグノーシアです。
そこをわざわざ調査する必要はありません。
ここまでは自然です。
しかし、なぜ残った人物の中からシピを選んだのかという部分には、それほど強い理由がありません。
ユーリはステラがしどろもどろしていることを、
「本物だからこそ誰を調べるべきか迷った」
と評価しました。
ただし別の見方をすれば、
「シピを調べる明確な理由を説明できなかった」
とも考えられます。
偽物でも迷っているように演技できますし、本物でも論理的に理由を説明できる人物はいます。
そのため、
「迷っているから本物」
という推理も決定打にはなりません。
ユーリの決め打ちは結果的に成功した
結果として、ユーリの判断は正解でした。
本物はステラ。
夕里子はグノーシアです。
しかし、夕里子が偽物だと論理的に確定できる証拠があったわけではありません。
夕里子のセツ調査には合理性があります。
セツ白が怪しく見えたのも発言順の影響が大きい。
ステラのシピ黒や調査理由も、それだけで本物だと断定できるものではありません。
つまりユーリは、
-
白と黒の出し方
-
敵を作るリスク
-
調査理由
-
発言の迷い
-
シピの反応
といった複数の不確実な材料を組み合わせて人物読みをしています。
そして、その決め打ちが今回は当たりました。
ユーリが完全な論理で真偽を見抜いたというより、不確実な情報の中からステラ真を選び、その判断を的中させたと見る方が自然です。
なぜラキオは襲撃されたのか
1日目の夜、ラキオが襲撃されます。
作中でその理由は明言されていません。
ただし、会議を見る限り、ラキオは比較的良い位置にいたと考えられます。
ラキオは、
「今日はエンジニアを残してグレーから行く」
という進行を提示しました。
そして実際に、その方針でジナがコールドスリープされています。
つまり、ラキオの意見には他の乗客を動かすだけの説得力がありました。
進行を論理的に作れる。
周囲から一定の信用も得ている。
グノーシア側から見れば、こうした人物を残すのは危険です。
そのため、進行能力の高さと、村人として信用され始めていたことがラキオ襲撃につながった可能性はあります。
ただし、これは作中で明言された理由ではなく、あくまで盤面から見た考察です。
第3話から続くユーリの成長
第5話では、ユーリのラキオに対する見方にも変化があります。
以前のユーリは、
「ラキオは第一印象で自分を疑っている」
と感じていました。
しかし今回、ラキオは好き嫌いや第一印象だけで人を疑っているのではなく、その時点にある情報から、誰が最もグノーシアである可能性が高いかを考えていると理解します。
ラキオがその時点の情報に応じて疑い先を変えていることについては、過去の記事でも解説しています。
inu25256.hatenablog.com
この変化は、第3話から続くユーリの成長として見ることもできます。
第3話のユーリは、自分の推理自体は正しくても、それを周囲にうまく伝えることができませんでした。
つまり、正しいことを考えているだけでは勝てないと学んだ回です。
第5話ではラキオが襲撃された後、
「今日はエンジニアから行くべき」
と、その進行意図を引き継ぎました。
さらに、自分がなぜステラを本物だと思うのかを説明し、実際に夕里子のコールドスリープにつなげています。
推理そのものには不確実な部分があります。
それでも、自分の考えを言葉にし、会議の結論へつなげられるようになったという点では、ユーリの成長が描かれていると思います。
なぜシピは夕里子が処理された直後に自白したのか
会議の結果、夕里子がコールドスリープされます。
するとシピは、自分がグノーシアだと認めました。
まだ夜の襲撃は残っています。
形式上はゲームも完全には終わっていません。
それでもシピが自白した理由は、夕里子が処理された時点で、どのルートを選んでも自分の勝ち筋が事実上なくなっていたからだと考えられます。
ステラを襲撃しても逃げられない
実際の配役どおり、シピがグノーシアだった場合を考えます。
仲間の夕里子はすでに処理されています。
残るグノーシアはシピ1人。
さらにステラから黒判定を受けています。
ここでステラを襲撃しても、シピは逃げられません。
グノーシアは仲間を襲撃できません。
つまりステラが夜に襲撃された時点で、ステラが人間側だったことが分かります。
夕里子とステラはエンジニア対抗だったため、ステラが人間側なら夕里子が偽物。
つまりステラが本物のエンジニアです。
そしてステラが出した、
「シピはグノーシア」
という結果も本物になります。
ステラを消しても、シピの黒判定まで消えるわけではありません。
セツを襲撃しても逃げられない
では、セツを襲撃してドクターを消せば逃げられるのでしょうか。
これも難しいです。
仮に夕里子が本物だったとします。
ジナはセツのドクター結果によって人間。
夕里子も本物なら人間です。
つまり村人側は、
1日目にジナ。
2日目に夕里子。
と、2日連続で人間をコールドスリープしたことになります。
その状態で夜に村人側が1人襲撃されれば、残りはグノーシア2人と村人側2人。
人数が同数になるため、グノーシア側の勝利です。
つまり、夕里子が本物だった世界では3日目の会議そのものが始まりません。
逆に言えば、3日目が始まった時点で夕里子がグノーシアだったことが分かります。
夕里子が偽物ならステラが本物。
ステラが本物なら、ステラから黒判定を受けているシピもグノーシアです。
セツを襲撃しても、シピには逃げ道がありません。
仮にシピが人間でも村人側は敗北する
さらに、仮にシピが人間だった場合も考えてみます。
シピが人間なら、ステラの黒判定は偽物。
つまり夕里子が本物です。
しかしその場合、村人側は1日目にジナ、2日目に夕里子と、2日連続で人間をコールドスリープしたことになります。
その夜に村人側が襲撃されれば、グノーシア2人と村人側2人。
この時点で村人側の敗北です。
つまり、
シピがグノーシアなら、3日目が始まることでステラ真とシピ黒が確定する。
シピが人間なら、そもそも村人側がその夜に敗北する。
どちらにしても、夕里子がコールドスリープされた時点で、シピの所属する陣営には勝ち筋が残っていません。
シピの自白は単なる諦めではなく、盤面上すでに敗北を避けられないことを理解した結果だと考えられます。
グノーシア側に明確なプレイミスはあったのか
では今回、グノーシア側はどこで失敗したのでしょうか。
個人的には、明確な大失策があったとは考えていません。
夕里子がセツを調査した理由には筋が通っています。
セツ白が怪しく見えたのも、発言順の影響が大きい。
ステラがシピ黒を引いたことも、グノーシア側には防ぎようがありません。
ユーリの人物読みがステラ真へ傾いたことも、夕里子の明確な失言によるものではありません。
ラキオ襲撃についても、
「進行能力が高く、周囲から信用されている人物を消す」
という意味では理解できます。
先ほど見たように、真エンジニアを初日に襲撃したり、最初から2人とも潜伏したりする別の勝負の形はありました。
しかし、別の選択肢が存在することと、今回の選択が悪手だったことは同じではありません。
真エンジニアを襲撃したからといって勝てた保証はありません。
2人とも潜伏すれば、グレーからグノーシアが処理される危険も高くなります。
そのため今回の敗北は、グノーシア側の明確なプレイミスというより、村人側に有利な情報と判断が重なった結果と見るのが近いと思います。
第5話で勝敗を分けた4つの要素
今回のゲームを整理すると、勝敗を分けた要素は大きく4つあります。
1.ラキオが初日の決め打ちを避けた
ラキオは、情報の少ない初日に夕里子とステラの真偽を決めませんでした。
決め打ちそのものを避けたのではなく、より情報が多い状態で決め打つために1日待ったと見るのが重要です。
2.セツがジナ白を持って2日目に登場した
ジナが人間だったと分かったことで、
「村人側はもう一度も間違えられない」
という盤面が明確になりました。
これによって、2日目にエンジニアからグノーシアを処理しなければならないこともはっきりします。
3.ステラがシピ黒を引いた
ステラのシピ黒は、それだけで本物を確定させる情報ではありません。
それでも、ユーリがステラと夕里子を比較するうえで大きな判断材料になりました。
もしステラが別の人物に白を出していれば、2日目の信用勝負はまた違った形になっていた可能性があります。
4.ユーリが最後の決め打ちを成功させた
最後に必要だったのは、夕里子とステラのどちらかを選ぶことです。
ユーリの判断は完全な論理ではなく、人物読みをかなり含んでいました。
それでもステラ真を選び、結果的に正解します。
人狼ゲームでは、すべての情報が確定するまで待てるとは限りません。
今回のように、確定情報が足りない中でも、どこかで判断しなければならないことがあります。
第5話は、その難しさがよく表れたゲームだったと思います。
まとめ
第5話の勝敗を分けた最大のポイントは、夕里子とステラのどちらが本物だったかという結果そのものではなく、どのタイミングでその2人を判断するかにありました。
ラキオは情報の少ない初日に決め打たず、エンジニア候補を両方残します。
そして2日目まで待つことで、調査結果や発言といった判断材料を増やしました。
その後、セツのドクター結果によってジナが人間だったことが判明。
村人側はもう一度も間違えられなくなり、夕里子とステラのどちらかを本物と決め打つ必要が生まれます。
そこでユーリが選んだのがステラでした。
ただし、夕里子が偽物だと証明する決定的な証拠があったわけではありません。
夕里子のセツ調査には合理性があり、ステラのシピ黒や調査理由も、それだけで本物だと断定できる情報ではありませんでした。
つまりユーリは、調査結果、発言、態度、シピの反応などを総合し、不確実な状況の中で決め打ちを行ったことになります。
そして、その判断が正解だったからこそ村人側は勝利できました。
シピの自白も同様です。
夕里子が処理された時点で、シピには盤面上ほとんど勝ち筋が残っていませんでした。
第5話は、村人側が完璧な推理だけで勝ったゲームではありません。
ラキオが情報を増やす進行を作り、セツのドクター結果によって盤面が整理され、ステラが重要な黒判定を出し、最後にユーリが不確実な決め打ちを成功させた。
この複数の要素が噛み合ったことで、村人側は勝利しました。
「決め打ち」と「ローラー」の違いだけでなく、人狼ゲームでは正解が確定していなくても、どこかで判断しなければならないことがよく表れた第5話だったと思います。
▶次回の記事
第6話では、ステラとユーリの判断がなぜ村人側を苦しくしたのか、そしてその隙を突いたラキオの偽守護天使COについて考察しています。
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